大会長挨拶

第27回 日本血液代替物学会年次大会
大会長 河野 光智
(東海大学医学部外科学系呼吸器外科学)


 第27回日本血液代替物学会を横浜市で開催させて頂くことになりました。
 2019年末に中国で新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が報告されて以来、感染は現在も世界中に広まり続けています。治療法や予防法の確立には時間がかかることが予見され、その完全終息に到るまでの道筋は未だはっきりとしない状況です。日本国内でも多くの国民が感染し、死者も多数出ています。感染を抑制し、医療崩壊の危機を回避するため、4月7日に外出自粛が強く求められる緊急事態宣言も発出されました。このため、献血の機会が減り、献血協力者が減少して輸血用の血液が不足するおそれが生じ、日本赤十字社は献血への協力を呼びかけました。コロナ感染が増加しても輸血による治療が減るわけではなく、血液の需要は変わらず高いことは明白です。献血が足りなくなる事態は、地震などの大規模災害、今後の少子高齢化社会などで生じることは分かっていますが、このような感染症の流行でも血液の不足が生じ、そのために医療が成り立たなくなる危機が足元まで来ていることを、我々は強く認識しました。輸血用血液の確保で難しいのは、使用期限が赤血球は21日、血小板で4日と短い点です。直面している、また未来に予想される重大危機のために、備蓄可能な血液代替物の臨床応用を一刻も早く実現させようではありませんか。