ようこそ日本血液代替物学会WEBサイトへ

Welcome to The Society of Blood Substitutes, Japan Web Site

日本血液代替物学会会長 早稲田大学 理工学術院
教授 武岡 真司

 

二十一世紀は「バイオの世紀」であり、創薬もバイオ医薬品に軸が移されていますし、iPS細胞などを用いる再生医療に対する一般の関心はとても高いものがあります.生命科学や医療の最先端は激しく融合と分裂を繰り返しながら日進月歩の勢いで進んでおり,血液に関する科学の進歩に関しても全く同じであります.

 

十九世紀後半も含め,二十世紀は自然科学に大きな進展をみ,数多くの発見や発明がありました.血液学の領域でもK.Landsteinerによる血液型の発見と輸血学の確立という医学史の上でもさん然と輝く大きな功績があります.輸血は一種の臓器移植と言えますが,重要臓器の機能不全に対しては移植の他に人工臓器による対処法があるように,血液学の領域でも赤血球や血小板の代替物,アルブミンや免疫グロブリンなどの組換え蛋白製剤の開発が興り,二十一世紀には再生医工学による血球成分の再生技術が進んできました.

 

日本血液代替物学会では,血液成分の代替物の物性,製造,動物試験の方法や成績評価,臨床試験に向けたガイドラインやプロトコール,成績評価などの研究や討議をする学会として,1993年に設立されました.国際的にも,人工血液あるいは血液代替物や関連する技術やin vitro, in vivo評価をあらゆる角度で扱う学会組織は本学会のみです.

 

本年,日本血液代替物学会は 酒井宏水 大会長のもと第20回の学術大会を12月に控え,また機関誌の「人工血液」も第21巻を発行するまでに成長してきました.投稿論文の内容も毎年レベルが上昇し,世界の研究をリードしているといっても過言ではありません.

 

世界に先がけて臨床応用可能な血液代替物を実現するには医学,理工学そして産学(企業)の共同作業が重要となります.欧米では,ベンチャー企業による赤血球代替物の開発が先行していますが,未だ臨床試験の段階です.本邦ではより優れた製剤について,臨床試験を目指した準備が整いつつあります.また,血小板代替物では本邦が世界的にも最先端の研究段階にあります.

 

今後,技術革新や遺伝子工学,再生医学,材料工学,プロセス工学などの分野の進歩を取り入れながら,機能や安全性に優れた人工酸素運搬体,血小板代替物や蛋白製剤などを評価して開発して行くためには多様な学問領域の研究者や企業の開発者が集い,情報や意見を交換したり,そこから得られた成果を発信してゆく場の存在が益々重要となります.

 

臨床応用可能な血液代替物の開発には生体の機能の複雑さに関する理解を深めるとともに再生医学,理工学そして企業(産業学)が一致協力して開発意欲を燃やすことが必要であることを強調したいと思います.そのためには本学会の役目がますます重要になります.

 

是非,会員の皆様の熱意や知恵が結集して,二十一世紀における本領域の飛躍を期待しつつ,多くの賛同者の入会によって本学会が発展することを望んでおります.